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2019年12月 6日 (金)

むべなるかな


むべの実を初めてみたのは十年ほども前になろうか。

中京の街の真ん中、宿の軒を飾るようにに赤い実が並んでいた。

緑の葉と赤い実のコントラストの美しい眺め。

宿の人に尋ねると「むべ」だと言われた。

 

思いもよらず、身近にその実はあった。

山のフェンスに這う蔓性の生垣の実がむぺだった。

木通(あけび)に似た、卵型の臙脂の実を一個貰った。

聞くところによると、この郁子(むべ)は、不老長寿(不死)の実との 

伝説があり、

その昔、天智天皇は大津の蒲生野で見かけた長寿の老夫婦に、

「なぜそのように元気なのか」とお尋ねになられたそうな。

「ここで採れるこの実を食べているためです」と老人が説明したところ、

「むべなるかな(なるほど、それはもっともなことだ)」と仰せられ、

それ以来、この実は年貢として献上されることとなった。

「むべなるかな」という言葉は、これが語源と言われている。

 

むべの実を割ると、中は殆ど黒い種で、その種の周りを包んでいる

甘いゼリー状のわずかな部分を食するのだが、口の中で種を分ける

作業が至難の業。

でも、不老不死の伝説の実を食べたので、少しは元気になれそうな・・。

 

   とつおいつ丸めてちぎる十二月     真理子

 





 

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